毎日同じ時間を共有することになる存在が家族です。
多くの時を共に過ごすことで強い絆が生まれますが、その一方で距離感の近さ故に衝突が起こることもあります。
家族関係に悩んだ経験を一切持っていないという方は、おそらくいないのではないでしょうか。
家族関係の悩みは大きなものから小さなものまで様々です。
しかし小さな問題を放置していると、やがて大きな軋轢を生むこともあります。
幸せな家庭を作るために大切なこととは一体何なのか、この記事を通して詳しくご紹介しましょう。
家族との良好な関係を保つためには、距離感を重んじることが大切です。
夫婦や親子という関係性だとしても、人間同士の関わり合いであることは強く意識しましょう。
どんな人が相手だとしても、気軽に踏み込まれたくない領域というものがあります。
特に家族関係で悩んでいる真っただ中という人は、状況を打開するために距離感を詰め過ぎてしまうことがあります。
友好的な関係性を築こうとした結果の行動ではありますが、肝心の家族に受け入れられなければ意味がありません。
家族にはそれぞれ趣味があり、価値観があり、理想があります。
それが完全に一致することなど、まずあり得ません。
何に感動し、何を楽しいと思うのかは家族それぞれ違い、それぞれの世界をみんなが大切に考えているのです。
もしその「大切にしているもの」を、他ならぬ家族に否定されてしまってはどう感じるでしょうか。
一番認めてほしいはずの相手から拒絶されてしまっては、一気に心を閉ざされてしまったとしても仕方がありません。
家族の価値観にすべて賛同することはありませんが、家族が大切にしている物事を尊重することはとても大切です。
家族が楽しそうに話していることは、自分にとって興味のないことでも聞き、否定しないように意識しましょう。
家族関係を良好にするためには、それぞれの家族を型にはめて、役割を与え合うようなことを避けましょう。
悪い意味での固定概念はすべて捨て去り、家族を「一人の人間」として捉えることが大切なポイントになります。
世界的にもそうですが、日本社会では特に「夫が働く」「妻が家庭を守る」という構図がハッキリしています。
その役割を互いに果たすことは、家庭を健全に運営する上で必要不可欠でこそありますが、土台はあくまでも人間同士です。
「夫なのだから必死に働くのが普通」「妻なのだから家事をすべてして当たり前」というように固定概念にはめ込みすぎると、「この人は人間として私を見てくれていない」と感じてしまいます。
「子どもなのだから従順であるべき」といった発想もしかりです。
家族間の役割分担は「自分ができること」「自分の得意なこと」の割り振りに過ぎません。
何事に対しても当然と思わず、感謝する気持ちを大切にしましょう。
自分にとっての当たり前を押し付けすぎると、家族でいることを義務のように感じてしまうのです。
知らず知らずのうちに、自分の理想を家族に課してしまっているというケースが多々見受けられます。
「家族思いのパパ」「料理上手なお母さん」「優等生な息子・娘」といったように、押し付けるように役割を与えてしまうというケースです。
それが本人の理想やパーソナリティと合致していれば大きな問題にはなりません。
しかし、もしも自分の個性と剥離した役割を家族に期待されているとしたらどうでしょうか。
家族でいることに息苦しさを感じてしまうことは容易に想像がつきます。
真面目な人ほど、家族から期待されている役割を果たそうと必死で努力します。
趣味を犠牲にして家族のために尽くす父、苦手な料理を嫌々作り続ける母、遊びたい気持ちを押し殺してひたすら勉強する子ども…。
これが幸せな家庭と言えるでしょうか。
みんなが伸び伸びと過ごせる家族を作るならば、それぞれが何をしたいのか、どう過ごすことが好きなのかを考えることが大切です。
その意思を尊重することが個性を生かすことに繋がり、一緒に過ごしていて心地よいと感じ合える家族でいられるようになります。
「家族なのにどうして分かってくれないんだ」「家族なのになぜこんなに考え方が違うんだ」と感じることは往々にしてあります。
波長の合わなさに悩んでいる方も多いかもしれませんが、それは決して大きな問題ではありません。
両親や兄弟のことを「嫌い」と思うことに自己嫌悪することもありません。
人と人なのですから、家族だとしても波長が合わないことはあります。それは自分が悪いわけでもなければ、相手が悪いわけでもないのです。
たとえば両親という立場から見て、子どもの兄弟仲が悪ければ心配になることは当然でしょう。
しかしそれは、それぞれの子どもがしっかりと個性を持ち、自立していることの現れでもあります。
過度に立ち入り、家族関係を修繕させることはありません。
家族との接し方について、適温だと感じられる距離感は各家庭によって異なります。
四六時中、共に過ごすことを幸せに感じる家庭があれば、一人の時間も大切にしたほうが上手くいく家庭もありますし、別居していたほうが円満な家庭すらあるのです。
家族関係に関する理想は誰もが持つものですし、多かれ少なかれ世間体が気になることも分かります。
しかし、どういった距離感で過ごすことが最も適しているのかは各家庭によって異なりますので、世間の目を気にすることなどありません。
たとえ離れて暮らしていようとも、家族同士は見えない絆やエネルギーによって繋げられています。
重要な局面が訪れたときは、何らかの形で家族が一体となるものです。物理的な距離を極端に意識するのはやめましょう。
家族関係において何らかの問題が発生したり、苦難に巻き込まれたりしたとしても、それを学びの機会だと捉えてみましょう。
この広い世界の中で巡り合えた一つの家族に対して、真剣に向き合うことのできる絶好のチャンスもあります。
問題が大きければ大きいほど、家族が一丸になりやすいかもしれません。
もしも問題を乗り越えることができれば、それによって家族の絆はより強くなります。
個人として見ても貴重な経験となり、人間的な成長を遂げるターニングポイントになる可能性すらあるのです。
家庭内の問題を見過ごしたり、先送りにしていたりすると、やがて大きな災厄が家族に圧し掛かってきます。
ピンチはチャンスだという気持ちを大切にし、勇気を持って家族関係に深く切り込みましょう。
家族関係に悩んだことがないという人などまずいません。
この問題は自分の家族だけが抱えていることではないので、難しく考えすぎないことが大切です。
それぞれの個性を大切にして、家族それぞれを個人として尊重すれば、自ずと解決にこぎつけます。
家族関係の適温は、各家庭によって違います。
あまり話す機会が無くても、別居していたとしても、それぞれがその家族の形です。
理想を追求するだけではなく、家族全員のことを考え、バランスを重視することが家族関係を安定させることに繋がります。