ヒーローズジャーニーから学べる知恵|概要や活かす方法を解説します

映画や小説、アニメには必ず主人公がいます。

主人公はさまざまな経験をしながら物語の中で成長を遂げていくため、その姿に共感を覚える人も少なくありません。

多くの作家や小説家がストーリーを組み立てる際に用いるのが、構成の雛型ともいえる「ヒーローズジャーニー」ですが、これは我々の人生にも応用できるものです。

この記事では、ヒーローズジャーニーの基本となる書き方などの概要をご紹介します。

また、日々の生活に活かすためのポイントなどについても解説してきますので、自分の人生を変えたいという人はぜひ参考にしてください。

ヒーローズジャーニーとは

ヒーローズジャーニーとは、多くの映画や小説、アニメなどの作品で用いられるストーリーの雛型です。

具体的には、主人公の生い立ちから冒険のはじまり、試練や敵の出現、それを乗り越えて成功するまでの流れのことを指します。

これをもとに物語を構成することで、作品を見た人の共感を引き出せる物語を作ることができます。

多くのクリエイターや作家がこの手法を使い、たくさんの人を魅了する作品を作っているのです。

ヒーローズジャーニーには、物語を生み出す作家や小説家だけではなく、自分の人生の参考にできる要素が詰まっています。

人生の主人公はほかならぬ自分自身なので、現在の立ち位置を確認し、ヒーローズジャーニーを今後の成功を引き出すための教材にしましょう。

構成のステップ

ヒーローズジャーニーは、合計で12個のステップによって構成されています。

もちろん物語によって順序や内容が異なりますが、基本形となるステップを詳しくチェックしてみましょう。

ステップ①:日常生活

何の変哲もない日常生活から物語がはじまります。

ここではまだ大きな問題は起きておらず、主人公は平凡な生活を送っている段階です。

ステップ②:冒険への誘い

主人公自身や周囲の人々になんらかの変化があり、冒険のはじまりを予感させる段階です。

主人公が望んで冒険に出るというパターンよりも、必要に迫られて冒険をはじめるというパターンが目立ちます。

たとえば「お姫様がさらわれてしまった」というストーリーは、映画から漫画、そしてゲームの世界でも定番化しているヒーローズジャーニーといえるでしょう。

ステップ③:冒険の拒否

すぐに冒険に行くのではなく、拒否をするシーンが描かれることもあります。

リスクを考慮した結果、冒険を拒否するというパターンが多く、主人公の人間味を感じられるシーンです。

ただし、最終的には冒険に応じて出発することになります。

ステップ④:賢者との出会い

冒険をはじめる主人公ですが、直前で拒絶する模写が描かれていることからもわかるように、冒険に対して絶対的な自信をもっているわけではありません。

そこで登場するのが、主人公にとって師匠のような存在になる「賢者」です。

主人公は賢者から技術を学び、アドバイスを受け入れることによって成長を遂げ、冒険を完遂するための準備を整えることになります。

ステップ⑤:戸口の通過

冒険に迷いを感じていた主人公の心境に変化が生まれ、物語の世界へと積極的に関わろうとする様子が描かれます。

このステップを通過することにより、「後戻りできない」「引き返すことができない」といった段階へと進むことになります。

ステップ⑥:試練、仲間、敵

本格的な冒険をはじめた主人公には、いくつもの試練や課題が突き付けられ、強大な敵と相対することになります。

しかし、主人公は孤独に敵と戦うわけではなく、途中で出会った仲間と力を合わせて冒険を進めることになります。

最初は敵として立ちはだかった登場人物が味方になるというのも、ヒーローズジャーニーの鉄板だといえるでしょう。

ステップ⑦:もっとも危険な場所への接近

多くの敵や試練、仲間との出会いを通じて成長した主人公にとって、かつて経験したことのない山場ともいえる危険な場所が接近します。

これはストーリーを進めるためには避けて通ることのできない場所であり、「ラスボス」との出会いを予感させる段階です。

ステップ⑧:最大の試練

ヒーローズジャーニーにおける山場ともいえる段階であり、主人公や仲間に死の危険が迫るほどの試練を迎えます。

大きな犠牲を払う結果となる場合もありますが、基本的には最強の敵を倒し、物語はクライマックスへと向かっていくというのが黄金のパターンです。

ステップ⑨:報酬

天下分け目ともいえる戦いを制した主人公には、そのリスクに見合うだけの報酬を得ることになります。

連れ去られていたお姫様などのヒロインを無事に救出したり、お宝を手に入れたりといったシーンが描かれます。

ステップ⑩:帰路

無事に難局を乗り越え、報酬を手に入れた主人公は、それまで過ごしてきた場所から離れて生まれた町や村に帰ることになります。

大きな問題も起こらず、平和に帰路に就ける場合もありますが、倒したはずの敵が実は生きているというパターンもあり、見ている人を驚かせるというシーンが描かれることもあります。

ステップ⑪:復活

戦いによって主人公が命を落としたように見えたシーンがあったとしても、実は生きており、見事に復活を果たすというシーンです。

ステップ⑫:宝をもっての帰還

物語の目的や目標を達成し、宝などの成果をもって自分の生まれ育った町や村に帰還するという段階です。

平和な生活を取り戻せるだけでなく、想定外の報酬が手に入ることもあり、物語は完結します。

ヒーローズジャーニーを自分自身へ活かす方法

ここまで、ヒーローズジャーニーの基本的な流れを見てきました。

これはフィクションのお話ですが、人生のストーリーにヒーローズジャーニーを活かすこともできます。

3つの項目に分けて、詳しく解説しましょう。

課題や目標に気づくこと

平凡に感じるような毎日にも、どこかにやるべき課題というのは潜んでいます。

それに気づかずに生きている人と、気づいて課題の克服や目標のクリアに向かって努力する人とでは、人間としての経験値や能力に差が生まれてくることになるでしょう。

「プリンセスがさらわれた」というような劇的な出来事は起こらないにしても、些細な変化に気づき、常に目標をもつことは大切なポイントになります。

行動を起こす

課題や目標に気づき、やるべきことが明確になったとしても、行動に起こさなければ意味がありません。

ヒーローズジャーニーには、最初は自信をもてなかった主人公が成長し、自発的に動き、大きな目標を達成する姿が描かれています。

難しいことを「できない」と思い込むのではなく、「できる」と信じて立ち向かいましょう。

自分がどの位置にいるのか把握をする

ヒーローズジャーニーをステップごとにチェックして、現在の自分がどの位置にいるのかを把握しておきましょう。

たとえば、苦手としている課題が突き付けられているネガティブな状態は、自分自身が成長する直前の段階だと考えればポジティブな思考をもちやすくなります。

また、大きなトラブルや難局に直面していたとしても、この段階をクリアすることで大きな報酬が手に入ると考えれば、前向きにトライする気持ちが湧きやすくなるのではないでしょうか。

まとめ

ヒーローズジャーニーは我々の人生においても参考にできる要素が多く、自分自身の成長にもつながるものであるため、さまざまなシーンで活用することができます。

また、つらい時期があったとしても、それを乗り越えるきっかけを与えてくれるものになります。

まずは自分自身がどの段階にいるのかを確認し、目標を達成するための行動を起こすようにしていきましょう。